リタリンに関する論争
中枢神経興奮促進剤で代表的なものに、リタリンという薬があります。
実は、この薬は、日本では数年前まで、ADHDの治療薬として使われていましたが、
今はその治療目的での使用が禁止になりました。
リタリンは、興奮させ、勢力をみなぎらせるような作用がありますが、薬効維持の時間が短く、
また薬の効果が切れたと同時に、急激な倦怠感や無力感が襲ってきたりする副作用があります。
そのような、覚せい剤に似た作用があることから、「合法の覚せい剤」とも言われ、
「リタリン中毒」という言葉もあったほどです。
現に、リタリン中毒患者が多く現れ、闇医者が法外な金額で処方するという、覚せい剤のような
取引も見られるようになりました。
アメリカでは、リタリン処方を断たれた患者が、ヘロインやコカインといった薬物に走るケースが
増えたそうです。
こうした流れを受けて、各国が次々にリタリン排除に向けて動き出し、スウェーデンでは、既に
市場に出回ることが禁じられています。
日本では2007年に、精神医療の場で、リタリンの使用は禁止されました。
リタリンを正しく使い、一定の効果を上げていた人もいましたが、それ以上に、リタリン乱用の問題が
重視されるようになったのです。
これに対し、ADHD患者が原告となった訴訟が起きたりもしましたが、薬物乱用傾向の人が安易に使う
可能性がなくならない限り、問題克服は難しいと思われます。
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